ある可燃性液体が空気中で点火したとき、燃え出すのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温です。
可燃性液体の温度が引火点より高いときは、火源があれば、引火する危険性があります。逆に火源がなければ、燃焼は起こりません。
火源がなくても可燃物自身が発火し燃焼を開始する最低の温度を発火点といいます。
一般に発火点は引火点より高くガソリンの引火点は‐40℃以下、発火点は300℃です。また、灯油の引火点は40℃以上ですが、発火点は220℃でガソリンよりも発火点が低い性状を持ちます。
指定数量とは、その危険性を勘案して政令で定める数量と規定されています。
(その場所で貯蔵し、又は取扱う危険物の数量)÷(その危険物の指定数量)
が取り扱う指定数量の倍数になります。
消防法では、指定数量以上(倍数1以上)の危険物を貯蔵又は取扱う場合、貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取扱うことを禁止しています。
[参考] 第4類(引火性液体)の指定数量 一部抜粋
種別 | 分類 | 引火点(℃) | 指定数量(L) | 例 |
---|---|---|---|---|
第4類 | 第1石油類 | 21未満 | 200 | ガソリン |
第2石油類 | 21〜70未満 | 1000 | 灯油 | |
第3石油類 | 70〜200未満 | 2000 | 重油・切削油 | |
第4石油類 | 200〜250未満 | 6000 | エンジンオイル | |
指定可燃物 | 可燃性液体 | 250以上 | なし | 高引火点潤滑油 |
※上表の他、アルコール類は指定数量400L、動植物油類は指定数量10000L、
特殊引火物は発火点が100℃以下または引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下の物、
第1〜第3石油類の水溶性液体は、上記の各指定数量の2倍になります。
液体が流動する時の抵抗の度合いを示します。
一般的にはcSt (センチストークス)= mm2/sの単位で表され、
液体の粘度は温度が上昇すると低下し、温度が下降すると高くなります。
[参考値] 水(20℃)=1cSt 灯油=1.5~2.0cSt 油圧作動油32=32cSt
銅板を用いて、金属に対する変色の度合いを示す数値です。
細分記号として1a〜4cまであり、数字が大きくなるほど、またアルファベットが
進行するほど、銅版腐食の割合が大きくなります。
切削油の観点からは、銅版腐食の数字が大きいものは非鉄金属の切削には不適です。
高荷重、高温下の接触面において、摩擦や摩耗を減少させる働きを持つ添加剤です。
一般に、硫黄・塩素・リン等を含む物質が使用されます。
これらの成分は常温においては比較的安定ですが、高温下においては活性なので、
非鉄金属を腐食させる可能性が高くなります。
水素イオン指数ともいい、水溶液の酸性・アルカリ性を示す数値です。
pH7.0を中性として、数値がpH7.0より小さいと酸性、pH7.0より大きいとアルカリ性となります。水溶性切削・研削液は、腐敗やサビを抑制する為、液を弱アルカリ性(pH9.0〜pH10.0)に設定するケースが一般的です。
乳濁液、乳剤を指す用語です。
水溶性切削液においては、外観が乳白色の物を「エマルション」と呼称します。
潤滑成分を多く含む為、一般には水溶性切削油剤の中で最も潤滑性が高く、
鋳鉄・鋼、非鉄金属の切削加工に用いられます。
外観が半透明もしくは透明の物を「ソリュブル」と呼称します。
一般的にエマルションに比べ潤滑性は劣りますが、洗浄性・冷却性は優れている為、
切削加工のみならず、研削加工にも使用されます。
外観が透明の物を「ソリューション」と呼称します。
水溶性切削油の中で最も冷却性が高く、消泡性も優れている為、
主に研削加工に使用されます。